高専、知ってます?
第6話 ロボコンに入らなかった私の話
※この連載は事実7割・フィクション3割。
盛るのは私の体験談だけで、高専の制度やルールの話に嘘はありません。
前回は、癖の強すぎる先生たちの話でした 今回は、放課後の話をします
高専といえば、ロボコンだと思います 世間が高専に持ってるイメージの、 だいたい8割はこれなんじゃないでしょうか 正式名称は 「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト」 1988年から続いていて、 主催は 全国高等専門学校連合会と NHK、NHKエンタープライズです 全国の高専から、1キャンパスにつき2チーム 100を超えるチームが8つの地区大会に分かれて、 勝ち抜いた25チームくらいが全国大会に行きます 1校2チームなので、同じ学校の中に 最初からライバルが一組いることになります さらに変わっていると思ったことが、 高専のロボコンチームには、 そもそも部活動じゃないところがあるんです 学生の有志団体で、会社の形をとっている バーチャルカンパニー、というやつです
トップは部長ではなく「社長」 その下に「副社長」がいて、 社長は5年生、副社長は4年生 さらに広報部、会計部、 イベント部、情報システム部があって、 そのラインナップの中に、 宴会部がありました 部活に、宴会の担当部署があるんです 会計部のほうも本格的で、 製作班と回路班から上がってくる 部品の発注を全部まとめて、 残っている資金と照らし合わせて、 全体に周知するらしい そして1年生の役職名が「新入社員」です 勧誘の告知にも、はっきりそう書いてありました 「新入社員募集中!!」 入部ではなく、入社 しかも遅刻が続けば呼び出されて、 直らなければリストラ 留年したら、退社です 勉強もろくにできないやつがロボコンできるわけない という理屈だそうで、 これには何も言い返せません 部活を続ける条件が、進級 そんな話、聞いたことありますか 念のため書いておくと、 これは全部の高専の話ではありません 普通に「ロボコン部」として やってる学校のほうが多いです ただ、一部でこういうのが実際にある
……でも、私はそこには入りませんでした 高専の話をすると必ずと言っていいほど ロボコンについて聞かれるんです でも、私はずっと、外から眺めていた側です むしろ、体育館を取り合いしていた敵でもあります ここからが、今回の本題になります
私は中学のとき、野球部でした 部員が9人を下回る、 絵に描いたような弱小校 ただ、そんな野球部でも 3年生の最後の大会 なんとか、市内大会を勝ち抜き、 地区大会まで出れたこともあり、 高専でも野球を続けるつもりで、 練習を見に行ったんです ……で、見聞きした結果、 うちの野球部は弱かった せっかく新しい環境でスポーツをやるなら、 高いレベルのところで(それなら高専でやるな) と思ってしまって… 私はそこで、野球をやめました
じゃあ何をやるか そこで出会ったのが、ハンドボール部でした 理由は単純で、それなりに強くて、 経験者がほとんどいないと聞いたからです 中学にハンドボール部がある地域は限られているので、 多くの学校が他競技からのコンバートで成り立ってる 野球から来た人、バスケから来た人、 完全な未経験者等 つまり、だいたい横一線からのスタートになる そこがありがたかった そんなわけで、さっそく見学に行くことに ちなみに、活動拠点は、外 体育館だと思って行ったら、違いました
ハンドボールって、 体育の授業では体育館でやりますよね だから完全に室内競技だと思っていたんですが、 うちの練習場所は、 屋外のハンドボールコートでした というのも、体育館が使えないんです うちの高専には、 体育館が二つありはしたのですが、 体育館を使う競技は多くあり、 ハンドボール部が、 平日に体育館を使えるのは、週に2回だけ しかもその2回も、 まず外のコートで練習してから、 夜7時半、他の部活が全部終わったあとに、 ようやく体育館に入って夜練をやる
土日は土日で、当然のように練習があります 見学に行った日、 まだ明るい屋外コートで走っている先輩たちを見て、 なるほど室内競技ではないのかと思ったのを覚えています このあと、だんだん楽しくなってきた結果、 夜練に加えて早朝練まで始めることになるのですが、 それはまた別のお話
ここで「高専大会」の説明を挟みます 高専の運動部には、 出られる大会が二種類あるんです ひとつは高体連の大会 インターハイにつながる、あれです ただしこれ、出られるのは1〜3年生まで 高専の4・5年生は、 制度の上では高校生じゃないので出られません じゃあ何なのかというと、高専生です としか言いようがない そこでもうひとつあるのが、 全国高等専門学校体育大会、通称・高専大会 主催は高専連で、 こっちは1年生から5年生まで出られます 高体連の県予選が5月下旬から6月にあって、 インターハイ本大会は8月の上旬から中旬 一方の高専大会は、 地区大会が6月下旬から7月上旬で、 そこを勝つと全国大会が8月末から9月です ハンドボールは高専大会の中でもとくに遅い競技で、 夏休みが終わってもまだ大会があります
この時期のズレが、練習に何を起こすか 春のあいだ、コートにいるのは1〜3年生だけです 高体連の県予選に向けて練習していて、 4・5年生はそもそも出られないので、来ません そして県予選が終わる6月から7月ごろになると、 急に人数が増えます 見たことのない大きい人たちが、ぬるっと現れる 高専大会が近づいてきたからです
要するにうちの上級生は、 大会前だけ練習に来る人たちでした それでも、たまに全国大会には出ていたんです そして、だいたい1回戦で負けて帰ってくる
ここが、私が引っかかったところでした 大会前の数ヶ月だけの練習で全国に行けてるなら、 一年通してやったらどうなるんだろう、と そこを変えれば、もっと上に行けるんじゃないかやることやってなくて、走れなくて負けて泣く こうはなりたくないな、と15歳、なかなか生意気です
最後に少し余談を 入部を決めた日のことなんですが 見覚えのある5年生がいました というか、忘れられるわけがない 前回のあの人です 歓迎合宿のグラウンドで、私が放った 「作曲者へのリスペクトが足りないだろ!!!!」 を、真正面から浴びた、あの学科代表その人でした こうして私のハンドボール生活は、 よりによってこの人がいるところから始まったのでした
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます 「うちの部活もこんな感じだった」なんて思い出があれば、 ぜひコメントで教えてください 次回も読みたいと思ってもらえたら、購読もぜひ










あいすくん部活にも真面目✨
ハンドボールって何歩かしか歩いちゃだめだよね!ゴールに入れる時、タタッシュッてするところかっこいい!!✨
私もみんなしてないと思って新体操選んでみたけど、大会出てみたらジュニアからやってるガチ勢だらけだった😳
学科代表ってあのアイス奢ってくれる人?
夜錬に早朝錬もやって勉強時間確保できたのかな。