※この連載は事実7割・フィクション3割。
盛るのは私の体験談だけで、高専の制度やルールの話に嘘はありません。
前回は、体育祭だけ髪を染めてはいけない という話を書きました 今回は、いよいよ体育祭本番です 高専の体育祭は学科対抗 1年生から5年生までが同じ学科として集まり、 競技と応援で点数を競います ただし、1年生は応援団に入れません 私たちが学科のためにできるのは、 後ろで声を出すことと、競技で点を取ることでした これは言わずもがななのですが、高専は男子が多い そのため、体育祭の花形競技も、 なかなか荒っぽいものになります 騎馬戦 棒倒し 選抜リレー 騎馬戦は、帽子や鉢巻を取ったら終わり なんて生易しいものではありません 騎馬と騎馬がぶつかり、どちらかが崩れ、 上に乗った選手が落ちたら終了です 棒倒しも同じです 殴る蹴るはありませんが、 つかんで投げる、押し倒すは普通にある 倒された人の横から次の人が飛び込み、 一本の棒を中心に人の山ができる 棒の周りで人の塊が動き、 傾くたびに歓声が上がります
最後の選抜リレーは、学年も性別も関係ありません
誰をどこで走らせるかは、各学科の作戦次第
前半で逃げ切るのか、速い選手を後半に残すのか
バトンが渡るたびに順位が変わり、
さっき抜いた学科に、次の走者で抜き返されます
そのたびに、1年生から5年生までが一緒になって叫ぶ
応援団に入れない1年生も、
このときは先輩たちと同じチームです
私たちも気分だけは負けないように、
体育祭の数日前から準備を始めていました
……髪型の
少し時間を戻します 当時の私は、ヤンさんのことを少し怖いと思っていました 年上の同級生で、見るからに見た目がいかつく 最初の1か月はなるべく近づかないようにしていた人です そのヤンさんが、体育祭前に髪を切ってくれることになりました …… え?なんで????? きっかけは、ヤンさんが発したこの一言 「体育祭なら、そり込みだろ」 そう言われて、私はよく分からないまま ブルーシートの上に置かれてあるイスに座りました そして次の瞬間、 バリカンの音がして、こめかみのあたりが急に涼しくなる 鏡を見ると、しっかりそり込みが入っているのでした
そして体育祭当日 その頭で競技に出て、最後まで騒ぎました 選抜リレーの最後の走者がゴールすると、 トラックを囲んでいた声が少しずつ引いていきます 勝った種目、負けた種目を話しながら、 砂まみれのまま片づける 声は枯れていましたが、 五学年で一日戦い終えたあとの空気は、 なかなか悪くありません あとは着替えて、打ち上げに行くだけです これで体育祭は全部終わった ……教室に戻るまでは 片づけを終え、打ち上げへ行く前、 1年生は教室に集められました そこで上級生から、そり込みを入れた人へ告げられます 「その頭のまま授業には出られないから、次の授業までに剃ること」 消すには、残った髪も同じ高さまで刈るしかない つまり、全剃り 五厘刈り――ほぼ地肌が見えるくらいの坊主です 私たち一年生は初耳でした でも、ヤンさんは最初から知っていました 「ヤンさん、知ってたんですか」 「うん」 こちらはこれから髪がなくなるのに、返事はそれだけ 私たちの顔を見たくて、黙っていたようです そのまま教室で、打ち上げ前の全そりが始まりました 剃り込み組が、順番に五厘になっていきます
ところが、ヤンさんの剃り込みは位置が低く、 ブロック部分だけでした そこだけ短くそろえて、ヤンさんは終了 私たちが五厘になる横で、 事情を知っていたヤンさんだけ全剃りを回避しました 「それ、ずるくないですか」 最初の1か月は怖くて避けていたのに、 この頃には冗談を言えるくらい距離が縮まっていました 翌年以降も、ヤンさんを含め、 剃り込みから五厘刈りまでが恒例になりました こうしてクラスの結束は少し固まりました 代わりに、髪はかなり減りました
ここまで読んでくださって、ありがとうございます 皆さんの学校にも、行事後まで続く妙な伝統はありましたか 体育祭や文化祭の思い出があれば、コメントで教えてください 次回も読みたいと思ってもらえたら、購読もぜひ






ヤンさん!!笑
声出して笑ったよ〜🤣みんな仲良く全剃りw
髪はまた生えるし、伸びるから…ね?
体育祭も全然違っててしんせん!
うちはそれぞれに出る競技に出て、負けたら帰っていいよーというゆるーい感じだったなぁ。
ただ、優勝は購買券って商品があったから、5年の機械と土木のガチバトルで後のクラスはもらえたらラッキーくらいのやる気だったーなつかし。
髪型の縛りなくて、そんなの初めて聞いた😂
あいすくんの坊主写真よろ!